蟷螂山フォント
蟷螂山フォントの背景
京都の中心、四条烏丸にほど近い祇園祭の鉾町・蟷螂山町。
この町に立つ蟷螂山は、南北朝時代の公家・四条隆資の勇敢な姿を、中国の故事「蟷螂の斧(強敵に立ち向かう意)」になぞらえた山鉾です。
大きな力にひるまず、自らの信念を貫くその姿は、時代が移ろっても町衆の心に受け継がれてきました。
支配する者が幾度変わっても、暮らす人々の気概は変わらない。
伝統を守りながらも、新しいものに挑み続ける——その京の町衆の精神はいまもこの町に息づいています。
蟷螂山フォント誕生の思想

強敵に立ち向かう蟷螂の姿は、困難と向き合いながら一歩を踏み出す障害のある方々の挑戦とも重なり、私たちDHCラボがこの取り組みに込めている想いとも深く響き合っています。
さらに蟷螂山は、祇園祭の山鉾の中で唯一、山の上のカマキリがからくりによって動く特別な存在です。
他と同じであることに留まらず、違いを恐れず、独自の表現に挑む。
その意気込みに重ねるように、この場所から新しい試みとして生まれたのが「蟷螂山フォント」です。
蟷螂山フォントに込めた想い

京都・祇園祭の鉾町、蟷螂山町で生まれた蟷螂山フォント。
描かれた一本一本の線には、作者それぞれの想いや時間、感情が込められています。
まっすぐではない線、揺れのある文字、思わず立ち止まってしまうかたち。
そのひとつひとつに、描いた瞬間の気配が残っています。
整いすぎないからこそ、想いが伝わる。読むたびに、こころがふっと近づく文字です。
このフォントは、障害のある方、プロのデザイナー、学生、そして地域の人々が立場を越えて関わり合い、共に創り上げてきました。
蟷螂山フォントのこれから

描くこと、整えること、使われること。
そのすべての工程が、地域と人をつなぐコミュニケーションとなり、新しい表現のかたちを育んでいます。
創作を通して誰かに必要とされ、社会の一員であることを実感する喜びは、次の一歩への原動力となります。蟷螂山フォントは、単なるフォント制作にとどまらず、文字やイラストといった表現を通して、人と地域、社会をつなぐプラットフォームとしての可能性を広げていきます。
フォントに加え、イラストやパターンなど多様な表現を展開し、使う人それぞれの場面で新たな物語が生まれることを目指します。
文字という身近で基本的な意思伝達のツールを起点に、共感と理解が循環する社会へ。
蟷螂山フォントは、地域から未来へと続く、ひらかれた挑戦です。

ストーリーづくりを
ご一緒しましょう
「ご当地フォントサイトにデータを登録したい!」「デザイナーを紹介してほしい!」「アートワーク(フォント・パターン)を活用したイベントを企画提案してほしい」など、さまざまなお手伝い、連携を進めております。ぜひお声がけください。