ご相談はこちら

EN

モノづくりのまちから世界へ羽ばたくフォント、パターンを

2024/03/23 なにわふぉんと(大阪府大阪市)
2024/03/23 なにわふぉんと(大阪府大阪市)

アトリエライプハウス 大阪府東大阪市荒川3-8-8

障害者アートが人をつないでできたなにわふぉんと

大阪のご当地フォント「なにわふぉんと」が生まれたきっかけは、大阪で60年続く印刷会社、株式会社大通の出版部門であるスター出版が2022年に実施した「障がい者アーティスト発掘企画 絵本挿絵コンテスト」でした。そのコンテストの審査員をしてくださったフクフクプラスの福島治さんからご当地フォント参加のお誘いをいただきプロジェクトがスタートしました。
「絵本挿絵コンテストで初めて障がい者アートに触れましたが独特の世界観やオリジナリティ溢れる色彩感覚、そして圧倒的な個性に感動しました。この素晴らしい才能を広く伝えていきたいと思っています」そう語るのは株式会社大通の社長である大江美佐さん。
そんな印刷会社とタッグを組むのはラグビーのまち、モノづくりのまちとして知られる東大阪市にある障がい者生活介護事業所アトリエライプハウスと美術教室ライプハウスです。
「障がいのある方がアートをコミュニケーションツールとして社会参加できる場所づくりをしていきたい」とライプハウス代表の大澤さんが語る通り、ライプハウスさんの利用者さんは常日頃から作品を制作し、年に十数回展覧会も開催されていることもあり、みなさんが描く作品はとても素敵なものばかり。中には売れっ子のアーティストさんもいて、コレクターがいるアーティストも在籍しています。

アトリエの内にはアーティストさんたちの作品がたくさん飾られています。

なにわふぉんとで広がるアートの可能性

今回なにわふぉんとを制作するにあたってアトリエライプハウスのアーティストさんと美術教室のアーティストさんたちが過去に描いた作品を使用するパターンとご当地フォント用に新たに描いていただく作品の2パターンから作る方向で制作を始めました。
新規制作、特にフォントの制作については描いていただく方のペースに合わせて作っていくので時間がかかると言われており、なにわふぉんと陣営も念のため2、3名のアーティストさんに依頼していたのですがそこは普段から作品を描いているライプハウスの皆さん。依頼後1ヶ月足らずで全員が依頼したほとんどの文字を描いてくださっていました。「普段描いている作品と違うこともありどうなるか少し不安もありましたがみなさん楽しそうに描いてくれるので良かったです」とスタッフの水上さんも嬉しそうに語ってくれました。

フォントの制作風景。みなさん熱心に描いています。

そうやって描かれた独特の世界観、圧倒的な個性のある原画を目の当たりにし、それぞれの作品の個性を生かしたままどうすれば使いやすいグラフィックデータに加工できるのか、デザイナーたちは悩んだ時もあったとのこと。
そんなライプハウスの皆さん、デザイナーたちが共に新しいことにチャレンジして生まれたのがなにわふぉんとです。
「普段から展覧会等で障がい者アートを広める活動をしているが、ご当地フォントプロジェクトによって障がい者アートがより身近になり、アーティストたちの活躍の場も広がることは何よりも嬉しい」とライプハウス代表の大澤さんは語ります。
なにわふぉんとをたくさんの人に使っていただき、近い将来なにわふぉんとから売れっ子アーティストが誕生することを楽しみにしながら作り続けたいと思います。

 

こちらのストーリーで生まれたフォント・パターン

ストーリーづくりを
ご一緒しましょう

「ご当地フォントサイトにデータを登録したい!」「デザイナーを紹介してほしい!」「アートワーク(フォント・パターン)を活用したイベントを企画提案してほしい」など、さまざまなお手伝い、連携を進めております。ぜひお声がけください。